「労災隠し」とは?

「労災隠し」とは?

労災隠しについて

 

労災隠しとは、実際には労災に該当する事故等が発生したのに、事業者の側がそのことをひたすら隠し、たとえ被災した労働者が労災給付の手続きをするよう要求しても、ああだのこうだのいって、労災の事実を隠そうとすることをいいます。

 

では、なぜ事業主は労災隠しをするのでしょう?

 

それは、労災事故を起こした事業所は、労働基準監督署などからの監督・監視が厳しくなるからです。他の理由もありますが、主な理由はこれでしょう。

 

◆ そういうわけで、従業員が労災事故にあっても、会社が労災の申請をしないケースがしばしばあります。

 

そして、その際、社長が、「労災は申請しないけれど、そのかわりに、治療費などは全部会社が支払うので、それで了解してくれないか」などと持ちかけてくることがあります(実にしばしばあるようです)。しかし、これはダメです。

 

なぜなら、労災の場合、事業主は、治療費の他に、休業補償を6割以上、また障害補償を支払う義務があります。

 

これらすべての補償を事業主が自己負担すれば義務は果たしたことになりますが、実際には、休業補償が途中までしか支払われなかったり、無理矢理治療を打ち切られたりというトラブルがひんぱんに起こっています

 

したがって、事業主には労災保険を申請するように要求してください

 

◆ もしも、会社が労災の手続きをしてくれなかったら、被災者本人が請求することもできます。

 

ただ、必要書類への記入など、面倒な点もあるので、こうした問題の専門家である社会保険労務士に相談するのがベストです。

 

◆ 間違った認識があるようですが、労災保険は、パートやアルバイトでも、また試用期間中の人にも適用されます。

 

「パートだからダメだよ」等という使用者の言葉を鵜呑みにしてはいけません

 

◆ その他、よくある労災隠しとして、建設労働での労災があります。

 

たとえば、建設現場で労災事故が発生した場合、元請け会社の労災保険を使わなければいけないケースがでてきます。

 

しかし、下請け、孫請け会社にしてみると、元請けとのトラブルを避けるために、実際には建設現場で起こった労災事故を、自分のところの事務所で起こった労災事故にしてしまうケースもあるのです。

 

当然、これも労災隠しです。

 

もちろん、「労災隠し」をしても、最終的に、労災認定してもらった場合と同等の給付を会社から受けられるのであれば、何の問題もありません。しかし、そんなことはまずあり得ないからこそ、問題になっているのです